時をかける少女の冒険(後編)

 

ダイレクトな続きものがこんなに遅くなって大変申し訳ありません。

リアルがアホほど忙しかったことが全ての原因ですが、みくるの考察も難しかったんです…。

楽しみにしていた方、誠にすみませんでした…。

 

前回の考察で、

未来人が過去へ来た目的は「新たな時空振を検知すること」で、

みくるちゃんの役割は「自分が未来に帰るために未来を固定すること」にあると言及しました。

やはり未来人が新たな時空振を検知するだけなら、未来の地点から過去を観測してればいいのでは(実際に、未来人は時空の歪みを過去に遡って観測したわけではない)。

となれば、未来人が過去にみくるちゃんを派遣した理由は、時空振を検知する以外に他の目的がありそうですね。

 

では他の目的とは何でしょう。実はこれがまだ明確に明かされていないんです。

ただ、重要なヒントは藤原が話していますね。

 

「できるものか。あなたから見た未来は、その時間の先にいる他の観測者にとっての過去なんだ。固定された事実は常に不変状態を保たねばならないと、あなたも知っているじゃないか」

「そのための私たちですから」

「だが、もはやここから四年前より先には遡れない。時間平面修正の機会はないんだよ。必ずどこかで破綻を生む。なら、今ここでそうさせてもいいはずだ」

               涼宮ハルヒの驚愕(後)より

 

私ですね、ずっと藤原の「だが」という接続詞の意味を考えてまして。

何に対しての「だが」なんだろう。

 

「固定された事実は常に不変状態を保たねばならないのに、4年前より先に遡って不変状態を保つことができない」と言っているのかなと思うわけです。

 

ここで2つの推測が出来ます。

ハルヒによって生まれた時間断層は、未来の観測者にとって固定された事実ではなかった(既定事項ではなかった)

・4年前より先の時間平面上で修正しなければならない「何か」が起こった。

 

うむむ。どっちともとれるんですよね。

時間平面を修正したくても、ハルヒによってその道が閉ざされてしまった。

その事実は、バタフライエフェクトのように必ずどこかで破綻を生む。

だったら破綻を生む地点はどこでも構わんと言う。

 

以上より未来人の目的は、ハルヒの持つ時空改変能力の調査はというよりは、過去の改変によって発生したパラドクス解消のための時間平面の修正が目的かなと思います。

 

(そして「ハルヒが時間平面を修正し続けていた」事実を過去人or宇宙人に伝えることがタブー?だったのは個人的に気になっている。これは次巻以降の鍵になると思うのだけれど)

 

ようやく本筋に入れます。

 

何故朝比奈みくるでなければならなかったのか。

 

さて、未来人の目的と朝比奈みくるちゃんの役割を整理して辿り着いた回答があります。

それはみくるちゃんじゃないと出来なかった行為は実はないのではないか

ということです。

しかし、みくるその立場を考えたときに、無視できない対抗勢力の存在があります。

 

「彼女が知らされていないのはゆえあってのことですよ。なぜなら、未来人が明確な意図を持って動いていることが解ったとしたら、後はその動きを分析すればいいんです。彼女が自分の未来にとって不都合な行動を意図的にするわけはありませんからね。朝比奈さんが未来人の割にうかつに見えるのは、ほとんど何も知らないからです。あえて知らされていないとしか思えません。それは過去人である我々が分析できないようにする、未来からの対抗措置ですよ(以下略)」

        「 涼宮ハルヒの陰謀」より

 

古泉の推測ですが、これはおおむね妥当でしょう。

何故ならみくるちゃん(大)が後に古泉が未来人にとって要注意人物であることを明かしています。

 

まあ、結局これもみくるでなければならない理由足りえないのです。

 

だから明確な理由はありませんし、

もしかしたら次巻以降でみくるちゃんではないといけなかった理由が出てくるのかもしれませんが、今現時点ではこれなんじゃないかと思ってます。

誠に悔しいことに根拠はない。

 

それは、SOS団―ひいてはハルヒの味方になれる子だから。

 

何度でも言いますが、七夕に時間移動するのも、バレンタイン前に工作するのも、なんならみくるちゃんじゃなくても良かった。

誰でも可能だった。

 

しかしあえてみくるちゃんでなければならなかったとしたら、それは何だろう。

 

だから考え方を修正します。

 

未来人がみくるちゃんを選んで派遣したのではない。未来人の中でハルヒによって選ばれた子なのだと。

因果関係逆転してないかって?まあまあ、最後まで付き合って欲しい。

 

 

萌えキャラでハルヒに振り回されるだけなら、きっと誰でも可能だった。

リアルでハルヒを苦手に思う方々がいるように、ハルヒによる暴虐の一番の被害者であるところのみくるちゃんは、任務を放り出して未来に帰ることも勇気を出してSOS団を放り出すこともできた。

 

できなかったのではない。しなかったのだ。それは何故か。

 

断れない悲劇のヒロインだから?

最初はそうだったのかもしれない。

ハルヒの無理難題に泣いたし、キョンは言うだけで役に立たないし、長門は怖いし、未来の上司は何も教えてくれないし。

 

未来人の使命だから?

確かにそうかもしれない。なんなら未来人には最優先の強制コードがある。

 

しかし、果たして使命だけなのか?

彼女は、成長してもこの現在の時間平面に来たり、過去の自分に行動をなぞらせたりしている。多少の変化では未来は変わらないとみくるちゃん(大)自身が知っているにも関わらず。

 

こんな予想はどうでしょう。

実は全く別の誰か(藤原のような思惑を抱える人間)が派遣されることが決まっていたが、何らかの間違いで過去に来てしまったのが朝比奈みくるちゃんであり、それはハルヒの意思によるものだったのだと(間違い以外で来るわけないと思っているのではない。決して)。

 

宇宙人、未来人、超能力者の3勢力のバランスが均衡しているのは、宇宙人が監視重視で温厚であったことと、未来人の朝比奈みくるドジっ娘すぎて超能力者の脅威にならないからです。

みくるちゃんが何も知らされていないのは古泉曰く未来からの対抗措置でもありますが、その立場を許容できる器が彼女にはあり(悔しい思いをしているが)、それをバネに成長しようと頑張れる彼女の心根の素直さこそが、朝比奈みくるが選ばれた必要不可欠な要素ではないかと思うのです。

 

また、未来人の中では彼女以外でハルヒの味方になれる子はいないと考えます。

 

何故なら過去のことを知り、その事実が不都合なものなら変えたいと思うのが当たり前の感覚です。

もし未来に影響が出ないのであれば、それこそ躊躇なく変えて、その望み通りの現在をに生きようとするでしょう。

また、どうやら現在を変えても未来に影響はないと言っているくせにハルヒは未来に影響を与える存在となっており、未来人にとっては非常に脅威的存在です。

そんな人物を目の前にして、何も思わない未来人など果たしているでしょうか?

たとえ過去を知らされていないのだとしても、ちょっと勘が良ければすぐに気づきそうなものです。ハルヒにはとんでもない利用価値があるのだと。

シリーズを振り返り、彼女は主体性を持って何かをしたこと、したいと思ったことがほとんどないことに思い至りました。

精々可愛い服や雑貨を購入したい、花火大会に行ってみたいと思うだけです。

 

しかも皆のためにより良いお茶を淹れたいと思って茶葉買いに行くんですよ。可愛いすぎる。これ凄いことですよ。

例えば私が過去に行くなら、間違いなく競馬の的中データととロト6の当選番号一覧を持っていくでしょう。

しかし彼女はハルヒのそばにいるだけで未来のデータで一儲けすることや過去を変えようなどという気配も全くない。またハルヒを利用したいと一ミリも考えていない。それどころかハルヒの良いように遊ばれている。

この点のみが他にはない要素です。

 

成長して数年後も、大人になってからSOS団を助ける立場として過去に干渉している。成長して全てを知った後でもなお、未来人側の立場でありながら、あくまでキョンの意思を尊重して導こうとしている。

これがSOS団の――ひいてはハルヒの味方ではなくてなんなのか。

 

 

え、美少女という点は?という指摘もあると思います。

一度真面目にこの線で考えてはみました。

しかし、美少女なら他にもおるやろと個人的に考えていまして、未来において整形技術が一層発展しそうなこと(金銭コスト低下、骨格から容易に改造可能等)を思えば絶世の美男美女の一人や二人はいてもおかしくはなく、みくるちゃんだけが美少女だとは考えにくいのです。

また、美少女はもれなく周囲から嫉妬されやすく、そんな周囲の黒い感情を浴びたみくるちゃんが箱入り娘のような愛らしい萌えキャラ属性を手に入れるとは考えにくい。

 

 

ということで真面目にみくるちゃんが過去へ来た理由を考えてみました。みくるファンの方、どうか怒らないで欲しい。

さて、いかがでしたでしょうか。

実は彼女のことを考えるのが一番難しかったりします。

みくるちゃんの解釈おかしすぎだボケという方がいましたら、是非ツッコミをお願いします。袋小路に入りそうだったんだ、この考察。

 

記事で解説したキャラ 

 

記事の元ネタ 

 

 

時をかける少女の冒険(前編)

副題:何故未来から派遣されたのが朝比奈みくるだったのか?

 

この間、大林宜彦監督・原田知世主演「時をかける少女」を初視聴しまして、これが筒井康隆原作を映像化したものや!と心躍りました。

時をかける少女」はラベンダーの香りなんです。ラベンダーの香りが切なくさせるんですよ。見ていて嬉しくなってしまったな。映像が情緒に溢れている。

この記事を読む方々の世代的には角川春樹版か細田守版が有名でしょうか?

 

なお、その細田守版は原作とは完全に別物です。

しかもラベンダーもなしですが、現代版「時をかける少女」がこの作品です。タイムループ物なのに「Time waits for no one」という言葉が登場するのがまた良いですね。だから令和版はまだ出てこなくていいぞ。

 

さて本題です。

副題:何故未来から派遣されたのが朝比奈みくるだったのか?

この問いに皆さんはどういう理由を思い浮かべるでしょうか。

 

先に断っておきますが、「萌えキャラだから」という理由は、全くその通りであるし極めてハルヒ的商業的にも的確なものになりますが、それでは考察もできないので片隅に置いておきましょう。

 

そして前提として断っておくことがもう一つ。

3年前(4年前)の七夕にはみくるちゃんがこの時代に派遣されていることが既に分かっているからとか、

みくるちゃん(大)がみくるちゃん(小)に指示して過去に派遣させたからとか、

過去に派遣されたことが既定事項説については否定しておきたいと思います。

 

それは何故か。

未来は変えることができるからです。

 

いや何言ってんのか分からんという話になりますが、ハルヒシリーズにおける未来は一本道でないことは作中で明示されています。

ということは、例えばみくるちゃんがSOS団での活動が黒歴史になっていて、大人になった時に過去の自分を派遣させることを阻止することができるという意味です。

みくるちゃんの行動自体は代わりの人でも可能なんですよ。過去でしなければならない行為という既定事項さえクリアできれば、誰がそれをしたかでみくるちゃん(小と大)のいる未来は変わらないのだから。

 

…え?説明が足りない?

パンジーが咲く花壇からメモリースティックを拾っても藤原からメモリースティックを渡されても、メモリースティックを手に入れるという意味では、結局既定事項を遂行できたよねってことです。キョンの心象はどうでもいいんです。

 

いやお前、未来は変わらないのか、変わるのかどっちだよという疑問が浮上します。

時間SFに明るくない私の例えで恐縮ですが、過程によって辿り着く結論が違えば未来は変わる…というイメージを持っています。

これ以上はご自身で詳細を検索していただけるとありがたいです。

 

では、そもそも何故未来人は過去に来たのかをおさらいしましょう。

 

「三年前。大きな時間振動が検出されたの。ああうん、今の時間から数えて三年前ね。キョンくんや涼宮さんが中学生になった頃の時代。調査するために過去に飛んだ我々は驚いた。どうやってもそれ以上過去に遡ることができなかったから」

また三年前か。

「大きな時間の断層が時間平面と時間平面の間にあるんだろうってのが結論。でもどうしてその時代に限ってそれがあるのかは解らなかった。どうやらこれが原因らしいってことが解ったのはつい最近。……んん、これはわたしのいた未来での最近のことだけど」

(中略)

「わたしは涼宮さんの近くで新しい時間の変異が起きないかどうかを監視するために送られた…ええと、手頃な言葉が見つからないけど、監視係みたいなもの」

         出典:「涼宮ハルヒの憂鬱」より

 

 

みくるちゃんのこのセリフから、涼宮ハルヒによって、みくるちゃんがいた時間平面から遡行できる過去が変容してしまう可能性を示唆していることが読み取れます。

みくるちゃんによれば、彼女の任務はハルヒによる時間変異の監視です。

 

それでは問題です。

何のために時間変異の監視をしなければならないのでしょうか。

 

ちなみに長門は、

 

「彼女は彼女が帰属する未来時空間を守るためにこの時空に来ている」

何だか、重大なことをサラリと言われたような気がする。

涼宮ハルヒ朝比奈みくるの時空間にとって変数であり、未来の固定のためには正しい数値を入力する必要がある。朝比奈みくるの役割はその数値の調整」

          出典:「涼宮ハルヒの溜息

 

 

と言っていますが、ちょっと待ってください。

 

過去の変容によって未来が変わるのを防がなくてはならない?

これ、変だと思いませんか?

いや長門の言ってることがおかしいと言っているわけではありません。

 

何故なら、ハルヒシリーズにおける時間SF理論に鑑みると、過去に遡らなければ未来人には関係がないからです。

現在が変われば、その時間線上に連続する未来が影響を受けます。

しかしその影響とは、現在のハルヒ達が生きる時間平面が別の時間線に接続されることだと考えられます。つまり未来の時間平面自体には関係がありません。

未来人の時間平面が消えるわけではないですよ。なら過去がどうなろうがほっときゃいいじゃん。

…もしかしたら時間理論の解釈が違うかもしれませんがこのままお付き合いください。

 

だとすれば、現在を未来に固定させなければいけない理屈とはなんでしょう。

 

それは先程ちらりと書きましたが、

ハルヒのいる時間平面にみくるちゃんがいるからこそ、みくるちゃんのいた時間平面のある時間線に未来を固定しなければいけないのです。

でないとみくるちゃんが未来に帰れなくなってしまうから。

 

他にも考えられる理由としては、TPDDの構造的欠陥によるものではないでしょうか。

 

時間平面を3次元方向に破壊しながら遡行するTPDDの性質上、一度でも過去に遡行してしまったらその破壊された過去を修復する必要が出てきてしまう。ケチのつき始めのドミノ倒し。その倒してしまったドミノを修復するために、朝比奈みくるちゃんはハルヒのそばにいて、現在の時間平面を自分のいた未来へ接続するためにいることになります。

それ以上の理由があるならば…作中未登場か、あるいは私の解釈不足です。

 

でもみくるちゃん(大)は驚愕でこんなこと言ってますね。

 

「ポツリと、この時空平面から自分たちの未来までの時空連続体をまるごと書き換えたとしても、どうせ一つに収斂されるのに――と、本音らしき言葉をこぼしてまして」

       出典:涼宮ハルヒの驚愕(後)

 

 あんた、未来は変えることができると言いつつ、どうせ一つに収斂されるとはどういうことや

 

なんとなく、藤原がそんなことしても、その後の未来にとっては些末な出来事にすぎないので未来は変わらないと言ってるように思えるんですが、よろしければどなたか私にご教授頂けるとむせび泣きます。

 

さて。この記事がこんなに長くなるとは思いませんでした。

しかも現時点でこれ書くまでに3日要してるぞ。

 

ところで、今までずらづらと書き連ねてきた朝比奈みくるちゃんの任務は、彼女でなければならなかったのでしょうか。

任務だけなら代替可能のように思われます。

 

何故みくるちゃんでなくてはいけなかったのか。

 

次回、最初の疑問に戻って考察したいと思います。

 

記事の元ネタ

タイトルの元ネタ

時をかける少女 (角川文庫)

時をかける少女 (角川文庫)

 

 

 

夏への扉(後編)

副題 長門の理想とは?キョンの理想とは?

 

 

前置き

何故にこのタイトル採用したかって、冬に夏(3年前の七夕)への扉(鍵)を探した物語だからです。探したんじゃなくて見つけたんですが。

それにほら、猫のピートが冬の寒さを嫌って夏を探すように、キョンも冬の寒さに凍えながら春の到来を待ちわびるより、夏の暑さに文句をつけながら団扇を扇いでいるほうが好きじゃないですか。

…滑ったギャグの解説をしているようで心が痛くなってきた。

深夜のノリでつけてしまったがゆえに特に意味はないことをお分かりいただけたら幸いです。

 

勿論、SFとしても名作の「涼宮ハルヒの消失」において、時間SFの考察をしないなんてこのブログの価値は具無しの味噌汁みたいなもの…いやダシを入れ忘れた味噌汁です。

私も考察をしたい願望は山より高く谷より深いのですが、自前のSF知識が6年以上前のもののため色々忘却しております。片っ端から読み直さないと文章すら書けないのでしばらくお待ちください。

また、涼宮ハルヒシリーズにおける時間SFを「涼宮ハルヒの観測 a study in August」に沿って理解しようとすると、「夏への扉」で使用される時間SF理論とはそぐわないように思われます。既に変えられた未来を追っているという点ではハルヒシリーズも共通点ではあるのですが、「夏への扉」が複雑なタイムトラベルではない以上、それだけで語るとどうも説明不足に陥いるような気がしてなりません。

…何を読み直そう。やっぱり「学校を出よう」?

 

本題に入る前に

前回の記事で、「長門の理想の世界にはハルヒは邪魔だったのかな」と最後考えました。でもそれ考えるととても悲しいんですよ。

長門よ、お前雪山の館でハルヒに看病されてどう思ったんだ、と。

ハルヒは熱に倒れた長門のこと滅茶苦茶心配してるのに、かくいう自分はクリスマス前にハルヒを北高から飛ばしたんですよ。

だから最初、キョンハルヒをウザそうに感じていたから、長門が余計な親切心を働かせて北高に飛ばしたんだと解釈してました。本当は今でもそう信じたい。

 

キョンの理想とは?

先に言ってしまいましょう。

結論。

消失においてキョンは理想を明らかにしていない。

は?お前何言ってんの?…そう言われても仕方なしです。

…いやほんと、こんな問いを立てたのがまずかったかと後悔しているレベルです。

 

tatsumaki274.hatenablog.com

長門の理想は上記の記事で考察した通りですが、ではキョン長門の理想を否定したのは何故か。

キョンの理想とぶつかったからだろうか。と、疑問に思って設定したのですが…。

 

それでは、キョン長門の理想を否定したのはいつか、から。

 

消失世界で鍵が揃い、緊急脱出用プログラムがパソコンに表示されたときには、キョンは元の世界を選んでいます。このときではありません。

それより何より確かなのは、俺がこの世界から脱出したいってことだ。

すでに馴染みとなって俺の日常に組み込まれたSOS団とそこの仲間たちと再会したいのだ。ここにいるハルヒや朝比奈さんや古泉や長門は、だから俺の馴染みではないんだ。ここには『機関』も情報統合思念体もなく大人版朝比奈さんが来ることもないだろう。それは間違っている。

    出典:「涼宮ハルヒの消失」より

 

なんで俺はエンターキーを押したのか?というキョンの本音を明らかにしたのが、世界改変直後に長門と対峙した時のモノローグです。このときに否定している。

変えた世界がいいか、元の世界がいいか。俺に選べというシナリオだ。

「ちくしょうめ」

選ぶもくそもあるか。

確かにSOS団だけなら修復可能だとも。

(中略)

そこでだ、俺。そう、お前だよ。俺は自分に訊いている。重要な質問だから心して聞け。そして答えろ。無回答は許さん。イエスかノーかでいい。いいか、出題するぞ。

―――そんな非日常な学園生活を、お前は楽しいと思わなかったのか?

      出典:「涼宮ハルヒの消失」より

 

キョンは自問自答した上で元の世界を「楽しかったに決まってるじゃねえか」と肯定したことで、長門が望んだ世界を否定しています。

ハルヒが起こす出来事に嫌々ながらも付き合う一般人というスタンスでは、せっかく長門様が創造した落ち着いた世界を否定する理由足りえないから。

 

そしてその後に、長門の行為を否定しています。

それは便利すぎる力だ。誰だって一切をやり直したいと考えるときがある。現実そのものを自分の都合の良いように変えちまいたいと思うことだってある。

だが、普通はできないもんなんだ。しないほうがいいんだ。俺に一からやり直すつもりはない。だから俺はハルヒと一緒に閉鎖空間から戻ってきたんだよ。

(中略)

「何回言われても俺の答えは同じだ。元に戻してくれ。お前も元に戻ってくれ。また一緒に部室でなんかやってようぜ。言ってくれたら俺もお前に協力する。ハルヒだってそうそう爆発しないようになってきてたじゃないか。こんな要らない力を使って、無理矢理変わらなくていい。そのままで良かったんだよ」

       出典:「涼宮ハルヒの消失」より

 

 キョンは「元の世界に戻りたいのはその世界が楽しかったから」とした上で、

ハルヒパワーを使って、今までの思い出を(一部を除き)一切合切変えて普通の少女に変わった長門を見て、無理矢理変わる必要はないと言った。

世界を改変しなくたって、長門の理想を叶えることはできるんじゃないか――と考えてないとこんなこと言えないですね。

 

あ、言うまでもないことかと思いますが、長門の理想の一つに「普通に恋愛をする女子高生になりたい」(そしてその恋愛対象がキョンである)というものがあっても、それはキョンに伝わっていないでしょう。だったらこいつはもうちょい躊躇したはず。

「世界が平穏で読書好きの女子高生」なら、世界を改変しなくたって実現できると、たぶんそう考えただけだこいつは。

 

 やはりキョンは自分の理想を持って長門の理想の世界を否定したわけではありません。

元のままの現実がいいと言っただけです。キョンの理想が「元の現実」ではありません。

ちなみに理想の対義語が現実です。

いくら現実が理想に近くても、現実が理想と置換することはないんですよ。それを現実に満足していると言います(たぶん)。国語辞典的には。

 

では、キョンの理想ってなんでしょうね。

今のところ、「大学生になってもハルヒの隣にいたい」ぐらいなんじゃないかと思ってますが。

 

記事の元ネタ

 

涼宮ハルヒの消失

涼宮ハルヒの消失

  • メディア: Prime Video
 

 

 

涼宮ハルヒの消失 限定版 [Blu-ray]

涼宮ハルヒの消失 限定版 [Blu-ray]

 

 

 

涼宮ハルヒの消失 (角川文庫)

涼宮ハルヒの消失 (角川文庫)

  • 作者:谷川 流
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/02/23
  • メディア: 文庫
 

 

夏への扉(前編)

副題 長門の理想とは?キョンの理想とは?

 

涼宮ハルヒシリーズの中でも傑作と名高い「涼宮ハルヒの消失」を題材に。

本当に素晴らしい物語です。このタイトルの元ネタでもある時間SFの金字塔、ロバート・A・ハインライン著「夏への扉」に匹敵する疾走感です。…言い過ぎだろうか?

 

AmebaTVで現在(2020年1月15日現在)放送しているのは皆様ご存じでしょうか。

abema.tv

放送が終わる前に記事を投下したいと思います。

やっぱ時節には乗りたいじゃん。

 

長門の理想とはなんぞや?

そもそも世界を改変しなければならなかった理由とは?

 

『わたしのメモリ空間に蓄積されたエラーデータの集合が、内包するバグのトリガーとなって異常動作を引き起こした。それは不可避の現象であると予想される。わたしは必ず、三年後の十二月十八日に世界を再構築するだろう』

そして淡々と、

『対処方法はない。なぜならそのエラーの原因が何なのか、わたしには不明』

俺には分かる。

       出典:「涼宮ハルヒの消失」より

 

キョンの言う通り、プログラム通りにしか動けない人工知能でも、そんな回路が入っていないロボットでも、時が来たらそいつを持つようになるもので、それが感情ってやつならば。

 

積もりに積もった感情の集合体が、世界を改変しようと長門を動かせた。

 

ではその感情とは?

キョンが好きすぎて」って言うなよ。長門の頭はそこまで恋愛脳じゃないだろう。

…と喧嘩腰になるつもりは全くありません。

でもここで結論出しちゃったら語れなくなるんで横に置いときます。

 

自由自在になんでも変えられる力を手にしたとき、それを行使する対象は三つに分けられます。

自分と他者と世界の物理法則です。

その動機の大半は、程度の差こそあれど「理想のものに変えたいから」というものになるでしょう。

今よりマシな現実世界にしたいから自分、他者又は世界を改変するわけです。

それができないから異世界に転生してワンチャンなんて望んでしまう。いや某ジャンルの悪口ではないです。

 

今回長門は全てを改変した。自分も皆も世界も変えたかった。

SOS団無くすわ、ハルヒと古泉を北高から飛ばすわ、そもそも超常現象を無くすわ。

かくいう自分は文芸部室でひっそりと本を読む少女になった。

 

変えたのは皆のプロフィールぐらいで人格までは変えていないようです。

環境変われば人格にも多少影響は出るものですけどね。ここでは置いときましょう。

 

文芸部室でひっそりと本が読みたいだけなら、五月頃文芸部室に突撃してきたハルヒに「部室貸して」「ヤダ」と言った史実に改変すればいい。でもそうしなかった。

 

ハルヒが邪魔でキョンが好きで一緒にいたいなら、ハルヒを北高から飛ばしてキョンを文芸部所属にした状態に改変すればいい。でもそうしなかった。

 

超常現象に疲れていたなら、ハルヒパワーをかすめ取った後にそのパワーを消滅させてSOS団だけはそのままにすればいい。でもそうしなかった。

 

最も曖昧な結論になりますが、感情は一つじゃない、ということでしょう。

 

お前は無感動状態が基本仕様だから尚更だったんだろう。たまには喚いたり暴れたりお前なんかもう知らんと言いいたかったことだろう。いや、こいつがそう思わなかったとしても、そうすべきだったのだ。そうさせてやるべきだったのだ。

          出典:「涼宮ハルヒの消失」より

 

キョンが言っているのはストレスの解消法です。長門に負担をかけておきながら、そんな長門には感情の捌け口がどこにもなかったから、ぶつけてやる場所を作らなきゃいけなかったのだと。

そりゃ15532回も夏休みを繰り返されれば誰だって狂うわい。

これは長門の感情の一つです。退屈でうんざりで、ハルヒお前勘弁しろやの強制ループ。

 

「わたしはあなたに会ったことがある」

付け加えるように、

「学校外で」

どこだ。

「覚えてる?」

何を。

「図書館のこと」

        出典:「涼宮ハルヒの消失」より

 

 長門が改変された世界に持って行った唯一の思い出です。

SOS団が存在しないから辻褄が合うように改変された記憶ですが。

長門の仕事は観測行為ですから、仕事から外れた行為である読書は長門の趣味です。

無口キャラは読書が好きでなければならないというキャラ設定でもない。ハルヒがそんなキャラを望んだわけでもない。誰の思い込みだそれは。

 

長門は嬉しかったのだろう。

その趣味に適確な場所に連れてってくれたキョンに感謝の気持ちを伝えたかった。

感情を伝えられる女の子になりたかったのかな…。

 

長門は感情を他者に伝えることがこれまでほとんどなかった。

対コンピ研戦で怒った時ぐらいでしょうか。インチキされてムカついたから勝ってやると思わなきゃキーボードガタガタ動かさんしね。観測行為から一番外れた行動と言える。

 

 

しかしそれだけじゃあないんですよね。

 

それだけなら、白紙の入部届を渡さなくたっていい。

キョンにお礼言うだけなら家にまで来させなくてもいい。

朝倉が来て帰ろうとしたキョンを引き留める必要もない。

キョンが文芸部にまた顔を出すと言って微笑む理由もない。

キョンに非日常か日常がいいか選択させるだけなら、長門自身が普通の女の子に変わる必要はない。

 

普通に恋愛もする女子高生にもなりたかった、ということも考えられるでしょう(キョンと付き会いたい女子高生ではない。ここ重要)。

図書カード作ってくれた記憶だけを持ってるなら、キョンはただの優しい男子高校生なだけ。それだけで惚れることは…まああるかもしれない。

 

他にも上げていけばキリがないんですが、記事が長すぎるので次の機会に譲りたいと思います。

 

最後に。

何故ハルヒを北高から飛ばしたのか。

これは当執筆者の思いですが、ハルヒが邪魔だったとは思いたくないんですけどね…。

 

非日常の権現、あらゆるトラブルの原因であるSOS団を無くしたかったのか?

あるいは感情が累積する原因がハルヒで、感情を泡立てる原因を遠ざけたかったのか?

迷惑千万なハルヒが北高にいなけりゃキョンが喜ぶと思ったからか?

自分の恋愛に邪魔だったからか?

 

あらゆる面から考えて「ああ長門さん邪魔だったんやな」という悲しき結論に到達するわけですが…。

 

光陽園学院という中途半端な場所を選んだ(わざわざお嬢様学校から進学校に変えている)のは、理性と願望の狭間の改変のように思います。

 

 

次回は夏への扉(後編)です。サブタイのキョンの理想とは?です。

せめて消失の放送が終わるまでに書きたいぜ…。

 

記事の元ネタ(朝倉表紙の奴が見つからないのは何故や)

涼宮ハルヒの消失

涼宮ハルヒの消失

  • メディア: Prime Video
 
涼宮ハルヒの消失 限定版 [Blu-ray]

涼宮ハルヒの消失 限定版 [Blu-ray]

 
涼宮ハルヒの消失 (角川文庫)

涼宮ハルヒの消失 (角川文庫)

  • 作者:谷川 流
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/02/23
  • メディア: 文庫
 

 

タイトルの元ネタ

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

俺の後ろのクラスメイトがこんなに可愛いわけがない

涼宮ハルヒは愛すべきキャラクターか?(これが副題)

どんだけ駄々滑ろうとタイトルにはできるだけキャッチーなものを採用したい第一弾です。

元ネタは7年ぐらい前?光陰矢の如しとはこのことですね。

 目次

 

このブログの執筆方針

涼宮ハルヒの憂鬱?ああ、見たことあるよ。確かシャッフル放送からエンドレスエイトまで両極端にやらかしてくれた変なアニメだよねえ」的な方から

涼宮ハルヒは永遠に不滅です」的な方まで

面白おかしく触れてもらいたいと思っている所存です。

また、手垢に塗れたネタよりはニッチでスキマ産業的なネタをやっていきたいと思います。メジャーな話題にももちろん触れますよ。長門とか、消失の長門とか、以降の長門とか…。

 

「お前、その解釈はおかしいぜ」「こんなふうに考えられるだろ」的ツッコミ大歓迎です。TwitterのリプライDM、当ブログのコメント、どしどしお待ちしています。

 

ちなみに、当執筆者のメンタルは学校の理科で使用される顕微鏡のプレパラート並に脆いため、盆正月にだけ顔を出す孫を見るような祖父母の目線で暖かくご覧になっていただけたら幸いです。

 

さて、いい加減本題に入りましょう。

涼宮ハルヒは愛すべきキャラクターか?

エスチョンの答えは、エスです。

誰がなんといおうとイエスです。ノーと言ったやつは、よろしい、ならば戦争だ。

冗談です。本気にしないでください。私は平和主義者です。

 

 

「あなたには無縁のことでしょう。涼宮さんにも。そのほうがいい。特に涼宮さんには永遠に知らないでいて欲しい。彼女の心を曇らせるようなことはしたくないんです。僕の基準で言えば、涼宮さんは愛すべきキャラクターをお持ちです。ああ、もちろんあなたも」

                    出典:涼宮ハルヒの溜息より

 

今回は、このセリフを紐解いてみましょう。

涼宮ハルヒは愛すべきキャラクターを持っている。
ゆえに、血みどろの抗争を見せたくないし、永遠に知らないでいて欲しい。

古泉がハルヒを愛すべきキャラクターを持っていると言ったのは何故でしょうか?

古泉がハルヒを好きだから愛すべきと言ったのか。
これはおそらくNOです。
このとき、古泉はキョンにしか言えない愚痴とハルヒのフォローをしたかった。

まず前提を整理しましょう。
古泉のこの台詞は、映画撮影で世界がしっちゃかめっちゃかになりかけていて、もし涼宮映画が完成されなければ世界の変容も止まらないという時期に、キョンに口を滑らせたものです。

では「愛すべきキャラクター」とは?

古泉が、ハルヒだけでなくキョンも愛すべきキャラクターを持っていると付け加えていることから、古泉がハルヒを異性として愛すべきキャラクターだという解釈はそぐわない。
1人の人間として愛すべきキャラクターを持っている、という意味で取った方が自然な解釈です。

ではハルヒの持つキャラクターとは?
唯我独尊か。猪突猛進か。傍若無人か。

だから血みどろの抗争を見せたくないのか。
これでは意味が分からないですね。陰謀渦巻く悪意を見せたくないという理由になっていない。

そうではなく、ハルヒの持つキャラクターとは、楽しむことに対する積極性、行動力、そして楽観的である意味前向きな性格のことを指すのでしょう。

学校未認可の団のサイトを無許可で学校のアドレスで開設してもバレなきゃ大丈夫。バレたらバレたで放っておけ。こんなもんはやったもん勝ちだ。

コンピ研の部長が学校に登校しないのは2ヶ月遅れの五月病患者だから。部屋で引き篭もってるところを引き摺りだせばいい。

孤島に建つ館という絶好の機会で、小説的漫画的アニメ的名探偵のように複雑怪奇な事件に遭遇してそれを解決してみたい。

火星に住む宇宙人はシャイで地球人に友好的な存在である。

侵入不可の溜池に侵入しても神主に射撃してもまぁどうせなんとかなるだろう。映画撮影のためなら、役者なんだから身体を張って演技してくれるだろう。

火気厳禁の校舎で鍋パーティーをしてもバレなきゃおっけ。バレて教師に見つかる事態となっても、激旨鍋を分けてあげればおっけ。

……誤解しないで欲しいのは、上記のハルヒの行動自体が愛すべきキャラクターと言いたいわけではなく、意識的か無意識的か、最悪を想定しない自分本位で純粋無垢な子供の発想と行動をする、というところです。悪いインターネットに毒されてる気はしますが。

この最悪を想定するという考え方、ハルヒにとっちゃ最もつまらない発想かもしれませんね。
常識的な理性を持つ彼女は、超えちゃいけないラインをよく分かっている。しかしそのギリギリや斜め上を攻めようとするのは、その方が面白いからという理由でわざと楽観的な発言をするのかもしれない。教師から怒られても全く気にも留めないし。

 

※この記事を読む良い子の皆や良い子でない皆は、傾くなら自分の尻を自分で拭けるようになってから傾きましょう。自分が起こした行動は全て自分の責任です。未成年は法的には制限行為能力者というだけです。

 

愛らしいじゃないですか。
自分の世界を盛り上げたいとするその積極性。

それを可能せんとする行動力。

どこまでも楽観的で前向きな性格。
そして何より、自分が選んだ仲間となら全てが上手くいくと信じている好奇心に満ちた屈託のない笑顔。

ハルヒの持つ愛すべきキャラクターとはこのことではないでしょうか。

だから古泉は、そんな純真無垢な子供には見せたくないと思っている。
悪意に満ちた世界を。
実は彼女を巡ってつまらない世界があることを。
それを知れば、彼女はきっと心を曇らせるから。

永遠に知らないでいて欲しいと。

 


私もハルヒを愛すべきキャラクターとして見ています。

それはこの古泉のセリフを読んでなるほどなと思ったからです。


闇のような世界があり、それを引き起こした張本人はお前なんだぜと見せつけるのはとてもいい趣味とは言えない。
ハルヒが神的パワーを持った経緯は謎ですが、無自覚無意識、本人の預かり知らないところで能力が発揮されているのだから、ハルヒを責めても仕方ない。

仮にキョンが神的パワーを持っていたら、いやハルヒ以外が持っていたら世界はどうなるか。
もっと酷いことになってもおかしくない。

閉鎖空間じゃなくて現実世界で建物をぶっ壊すかもしれない。デスノートなしで人間を亡き者にするかもしれない。3年間と保たずに世界がとうの昔に作り替えられていたかも。

我々が生活するこの理不尽な世界もそうですが、この世にベストなんてものは存在しない。どちらがよりマシか、ベターかしかない。
何故ならベストな解決方法なんてものは結果論でしか生まれない。

であるなら、そんな唐変木な力を持っているのがハルヒで良かったのだと考えた方がいい。
何故なら彼女は、そんな願望実現能力を持っていても、世界はある意味常態を保っているから。

たまに世界がハルヒのテンションに合わせて狂うだけで。

無邪気で我がままな子供のように振る舞うハルヒの横暴さを嫌う人もいるでしょう。
それはそれで正しいんですよ。

しかしこうも思う訳です。
最初から聖人君子のような人はいない。
諫めてやればハルヒだって言うことは聞くのだから、やりすぎれば注意すればいいだけの話です。だって子供なんだから。お前のやってることは面白いとは言わないぜと。

キョンにマジギレされたハルヒが反省して、以降やりすぎないラインに落ち着くようになった。着実にハルヒはいい方向へ成長している。

だから私は、ハルヒのキャラがまるごと好きなんですよ。可愛くて仕方がない。
キョンは古泉の忠告に従いすぎてハルヒを止めるのが遅すぎたな。


余談ですが、皆さんはハルヒとはどう接するのがベターだと思いますか。
古泉は、各派閥の生き残り合戦を永遠に知らないでいて欲しいのに、キョンには口が滑っている。古泉のハルヒに対する接し方は、ただ疲れるだけです。限界に到達するのも速いでしょう。

そんな古泉にキョンは、内心で思うわけです。
ハルヒはババ抜きのジョーカーではない。
本来苦労の押し付け合いをするもんじゃないと。

じゃあハルヒにどう接するのがベターな対処法だろう。

それは実に単純で誰でも可能な方法です。
キョンのようにハルヒと対等に接することです。
触れるのも恐れ多い神でもなく、監視対象でもなく、1人の人間として。

 


余談の余談。
そもそも私の1日のフリータイムが3時間ぐらいしかないわけなんですが、この記事書くのに2日かかってしまいました。えらい効率が悪いな。

 

記事の元ネタ   

 

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

 

     

涼宮ハルヒの溜息V

涼宮ハルヒの溜息V

  • 発売日: 2016/11/09
  • メディア: Prime Video
 

 

タイトルの元ネタ(何故1巻見つらんのや) 

 

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2) (電撃文庫)

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2) (電撃文庫)

 

 

簡単な挨拶

ブログネーム:

 たつまき

 

開設目的:

 このブログは、主に谷川流作「涼宮ハルヒシリーズ」の応援を目的として開設しました。この作品の考察やイラスト、SSその他諸々を書く方針。

当ブログ、twitterピクシブカクヨム等、活動の幅を徐々に広げていきたいと考えています。

なお、ハルヒだけでなく、気が向けば他の事も書きます。たぶん。

 

さて、大勢の方はこう思うのではないでしょうか。

何で今更?そう、今更やろうと思ったのは何故か。

 

12月18日から21日の計3日間。SOS団のサイトが毎年恒例で消失するのはご存じでしょうか。

 

あのサイト、マクロ組んで自動化しているのかと思っていたんですが、毎年微妙に時間や変化の仕方が異なることに鑑みるに、どうやら手動のようです。

10年ですよ。「涼宮ハルヒの消失」が映画化されてから、10年の月日が経とうとしている。気づけばこんなに時間が経ってしまった。それでも動き続けている。ハルヒに関わる人達は。

そんなサイトや、今もなお活動を続けるファンの様子を見てたまらなく震えてしまった。

 

私はこの作品のファン歴10年は経ってますが、原作やアニメのブルーレイBOX、その他関連グッズを買うだけで他は何もしていませんでした。

地域、私生活、金銭と言い訳には事書きませんが、気長に待ってりゃいつか原作もアニメも続編が来るさと思っていたが所以です。

 

しかし、ここで理由は割愛しますが、そんな訳にはいかなくなった。

この作品を時代の波に、ましてやカタストロフの望む連中の前に埋もれさせるわけにはいかない。

これまでもこれからも、涼宮ハルヒとその愉快な仲間達の空回りするバカ騒ぎを見ていたい。この作品を作り上げた素晴らしい方々がいることを語り継がなければならない。

そして、今もなお涼宮ハルヒシリーズを大いに盛り上げ続ける方々の活動の片棒を微力ながら担げないだろうか。

考えた末、今からでも何かを始めようと思い立った次第です。

 

果報は寝て待て。昔の人は言いました。でももうそういう時代じゃないのです!地面を掘り起こしてでも果報は探し出す物なのです!だから、探しに行きましょう!」

「何を」

「この世の不思議をよ!」

(「涼宮ハルヒの憂鬱」より)

 

 

ブログ開設に伴う所信表明としてこんな感じでしょうか。

 

ちなみに。

私もずっとハルヒに対して熱があったわけではありません。オタク趣味を封印した時期がありました(それこそ6年ぐらい)。

しかし、数か月前、この作品を読んでしまったんですよ。

あまりに懐かしく、そして狂おしいほどに愛していた彼女達を思い出してしまった。

そこからは坂から転げ落ちるように、小説を全巻読破し、アニメを全話視聴して、映画まで一通り完走してしまった。

こんなに好きだったのか自分は――と改めて思いました。

 

てなわけで、不肖ながら始めさせて頂きたいと思います。

 

(願わくば、TVアニメ版「涼宮ハルヒの憂鬱 第3期」の発表まで冬眠していたかった。誰に文句を言うわけでもないけれど)